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赤い文化住宅の初子

 「文化住宅」という言葉は初耳でしたが、主に関西地方にあるアパートなどのことなんですね。

 先日"Brick"という映画を見る機会があって、そのときに予告編が流れておりちょっと興味が湧いたので観てきたのですが、全編静かで緊迫感がある作品です。画面や音ばかりがにぎやかで退屈な映画が多いなかで、久々に最後まで緊張して見ることのできた映画でした。

 一言でいってしまえば、不幸で貧乏な女の子が けなげにがんばって生きるという話なのですが、がんばっても救われることのない暮らし、「普通」であるところの他人とのディスコミュニケーションなど、主人公である初子ちゃんのどうにもやりきれない辛さが終止じっくり描かれており、これがこの映画が持つ緊張感の基となっています。彼氏である三島君ですら、最後まで彼女の本当のところの辛さを理解したのかどうか怪しいまま映画はエンディングを迎えてしまっています。

 ところで、私も子供のころ多少の貧乏も経験し、その時々のクラスメイトなど周囲には常に一人くらいは、かなキワどい貧乏な友達もおりました。
 そんな経験から言わせてもらえれば、初子ちゃんの身なりがちょっと小奇麗過ぎるように見えたところに違和感を感じてしまいます。劇中ほとんど制服の着たきりすずめ状態なのですが、この制服のシャツがいつも白くてピシッとしているところ。髪の毛も、福原愛ちゃんを思わせるおかっぱ頭で内向的な性格に見えるようなところはいいのですが、キチンと手が入りすぎです。たとえ女の子でも貧乏人はギリギリまで伸び放題です。しかもすこしテカってるものです。しかも初子ちゃん、すこしカラーリングしてないですか?そんな金あるんですか?

 不幸のどん底まで沈みつつ、初子ちゃんは道を踏み外さずに持ちこたえ、映画は少しの希望を残して終わるのですが、希望のないところには、ほんとに最後まで希望や幸運というものはやってこないんだよ。というのが現実、ほんとのところなのだとは思います。でも、お話としてはこの方が見ているほうも救われます。多くのリアルな人々のように不幸に耐え切れず、道を踏みはずしてしまったのでは、映画になりませんから。

 ムーンライダース鈴木慶一氏が、序盤かなりグッとくる役どころで出演されてます。
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