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Swallow スワロウ

2021-12 


 抑圧された女性が、「食」という行為をメタファーとして自己を再認識していく物語。 
  という言い方をすると陳腐な感じがして怒られてしまうでしょうか?




 主人公の女性 ハンターは異食症という症状を発症して、さまざまな異物を食べては排泄し、出たものを愛でていくという行為に取り憑かれていきます。
 異食症という症状は本当にあるみたいです。

 異物を食べて排泄する行為を繰り返す。というと、ゲテモノを想像してしまいそうですが、全然そんなことはなく、ハンターの嫁いだ富裕層の夫とその家族周辺で話は主に進むので、画面はむしろ、一見上品そう。ただ、上品そうな家の中で、ハンターの心をすり減らし蝕んでいく、夫、姑夫妻の言動は、それ自体はどこの家庭でもありえるくらいのことと言えなくもないながら、本当にイヤな感じに見える。この感じ、最近感じたなと思って思い返してみると、「82年生まれ、キム・ジヨン」でも、主人公キム・ジヨンが心を病んでいくプロセスに、本作でハンターが異食に目覚めていく行程が重なります。

 

 
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ガメラ 4K HDR版

2021-11

劇場鑑賞

 日本のミニチュア特撮の集大成とも言える、平成ガメラシリーズの第1作が4K HDRリマスターで復活。

DVDも持ってますが、こういった作品は劇場で観てこそ。しかも4K HDRリマスターその上DOLBYシネマで上映していただけるともなれば、劇場に足をはこばないわけにはいきません。


オフィシャル・シークレット

2021-10 UH

ぴあ映画生活

 最初から最後まで緊張の途切れない良質なサスペンスでした。
 2003年に発生した「キャサリン・ガン事件」をもとにしたサスペンス。

 本作を鑑賞するまで、私はこの事件のことを知りませんでした。
 この当時、日本でもイラクに対する武力行使の是非についてメディアをはじめ賑やかに議論されていたのを覚えています。
 私自身もメディアで次々に情報が報じられるごとに、賛成、反対とフラフラ考えが揺れていたような気がします。最終的には、武力行使やむなしというところになっていました。今となってはまんまと騙された多数派の1人ということになってしまったのは少し恥ずかしい思い出です。
 武力行使も止むを得ないと考えるように傾いた一つの大きな要因は、本作でも映像が使われていた当時のパウエル国務長官の国連演説の影響が大きかったと思います。
 共和党施政権の中で珍しくリベラル派の支持も多い彼の国連演説は、ブッシュ大統領のどんな発言より影響が大きかったのではないでしょうか。
 世論の大きな流れに、それもおそらくは間違っている方向に、抗えない、冷静な判断材料も得られない状況の中で同調してしまうという経験をしたことは、改めて思うとかなりの恐怖体験です。

ギャヴィン・フッド監督

 本作の監督、ギャヴィン・フッドは、南アフリカ出身で、過去作を観ると「ツォツィ」「アイ・イン・ザ・スカイ」など良質の社会派作品を制作されている人です。私も両作とも劇場で鑑賞していますが、オススメです。
 「ツォツィ」は、南アフリカの貧困地区に生きる若者を主人公にした物語、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した作品なので、本編自体も間違いないですが、サントラも素晴らしい。現地語のラップを中心に、とにかくカッコいいです。



 もう一作の「アイ・イン・ザ・スカイ」は、ブッシュ以降、オバマ政権時代のテロ対策政策に対して疑問を投げかけている作品です。終わり方が最悪の後味の悪さで、本作とは違いフィクションではあるものの、終映後しばらく考え込んでしまいました。私の大好きなアカデミー俳優ヘレン・ミレン主演の作品です。




キーラ・ナイトレイ

 本作主演のキーラ・ナイトレイも、私も大好きな信頼できる俳優さんです。
 代表作としては、やはり「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでしょうか?
 このシリーズは未見ですが、大好きと言っておきながら…

 彼女の本領は、どちらかといえば大作よりもインディペンデント寄りでしょう。
 ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの原作を、屈指の映像派マーク・ロマネクが映画化した「わたしを離さないで」や「シング・ストリート」のジョン・カーニー監督「はじまりのうた」などがお気に入りです。


 とにかく画面が美しい


 歌声も披露しています



関連オススメ


 イラク戦争の裏側や関係者を扱った映画作品は多いですが、本作とセットで楽しめるのは、戦争の黒幕側を扱った「バイス」でしょうか。これを観ると、イラク戦争が裏からも表からも見れていいかも。
 どっちが表でどっちが裏かはわかりませんが。



 最悪の話ですが、笑えます。主人公チェイニー元副大統領を演じている、クリスチャン・ベイルなどは、絶対楽しんでいるだろう。



人数の街

2021-09 UH

ビューティフル・ドリーマー

2021-08 CR

ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコ

2021-7 UH

幸せへのまわり道

2021-06 UH

オン・ザ・ロック

2021-05 UH

アルプススタンドのはしの方

2021-04 UH

 昨年観た作品ですが、近所の映画館に来たので再鑑賞。


 去年と同じところでまたアガってしまいました。わかってるんですけどねえ。「来るぞ、来るぞ、キたあああああ!」というかんじ。傑作の証拠です。

 劇中出てくる「真ん中にいるのもキツイんだから」というセリフ。昨年のやはり傑作青春映画「ブックスマート」でも、同じようなやりとりがあったりして、このところ以前のような、「いけてるけどただイヤな感じのヤツ」的キャラは少なくなり、たとえ敵役でもそっちはそっちで大変なのよという複雑な描き方をされるようになったのは、今時だなあと思います。



 ただ、人生ずっとはしのほうを歩ってきた身としては、真ん中の連中にはぜひ、ギャフンと言わせたいといのも本音だったりして。

 劇場公開もいよいよおしまいかと思いますが、すでにソフトが出ています。オススメです。


マティアス & マキシム

2021-03 UH

ぴあ映画生活


私をくいとめて

2021-02 TU

ぴあ映画生活

 大九明子監督の新作とは知らず、映画館でポスターを見て慌てて観た次第です。
 大九監督といえば、松岡茉優さん主演の「勝手に震えてろ」という傑作がありますが、よく見たら原作も同じ綿矢りささんではないですか。期待は高まります。


 「勝手に震えてろ」「私をくいとめて」ともに、おひとりさま女子、しかも若干病んでいるところも共通しいるところですが、ご本人も若干病んでいるように見えるくらいの憑依天才型松岡さんに対し、今作の主人公は「のん」さんご本人の個性に寄せているようにも見えます。対照的ですがどちらも好印象でした。


新解釈三國志

2021-01 TU
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