ウェス・アンダーソンの作品は、近作「グランド・ブダペスト・ホテル」「犬ヶ島」などを鑑賞して、やっと慣れてきたかと思ったが、本作でまた突き放されてしまった。
序盤からセリフ、画面と、ナレーションで押し寄せる圧倒的な情報に溺れそうになり、案の定2つ目、3つ目のエピソードでは完全に置いてけぼりを食ってしまった。これがホントのアンダーソン作品かと、ついていけない自分に半ば絶望しつつ、以降は画面を楽しみつつのんびりと鑑賞することに努めた。
言い訳をするならば、映画を字幕版で鑑賞するばあい字幕を読むということにかなりのエネルギーを追加しなくてはならないこと、さらには、本作をはじめアンダーソン作品のばあいは、おそらく字幕作成の段階で、他の作品に比べて情報を削らなくてはならなかったのではないかと思う。