ナイチンゲール
2020-85 UH

劇場観賞
オーストラリアにおける人種差別と女性蔑視の歴史をかいま見せるところがテーマ。
amazon プライムビデオで観られます。
ぴあ映画生活
https://cinema.pia.co.jp/title/182040/ 各国の映画祭で途中退出者が続出! などのニュースもありました。これも宣伝のひとつなのかとは思いますが、確かに劇中で人種差別と女性蔑視が最悪の形で融合してしまうシーンでは、本当に気持ちが悪くなり、退出したくなる人がいるのもわかります。
主人公の女性クレアはアイルランド系ということで、イングランド人からの差別を受け、さらにひどい性差別の犠牲者であるのですが、視点を変えると差別主義者でもあります。復讐を遂げる為に追跡の道案内で雇ったアボリジニ青年には、馬上から銃を向けっぱなしだったり、追跡の道中ではヤナ女感も結構漂わせてみたり、ただイノセントな被害者というわけでは無い描写はフラットです。
ラスト、タスマニア島海岸の夜明けを見つめる二人が示すのは、諦めなのか希望なのか。
昨今の各地での情勢を見る限り少しはよくなっているものの、ちょっと残念なことなっていますね。
監督は女性なんですね。女性だからこその容赦の無い表現なのでしょうか。過去の映画でもかなりキツイ描写の作品で女性監督だったものをいくつか観た記憶があります。男性だと後ろめたさを感じてしまうのでしょう? (こういう文章も性差別だ!と怒られてしまいそうで怖いですが、そういうつもりはありません。)
あの時代に女性が未開の地で生活することのキツさを示すには、このような容赦の無い表現が必要、といのも女性監督ならではなのでしょうか、当事者の皆さんは、フィクション映像で見るわれわれよりもはるかに緊張と嫌な思いをして暮らしていたのでしょう。
映画冒頭にクレアが子供を左手で抱き、子守唄を歌いながら右手に持っていた物が、ただ事でないことを示していて冒頭から緊張します。
未見ですが過去には「ババドック」という作品で評価を得ているみたいです。機会があれば見てみたい。
ぴあ映画生活
https://cinema.pia.co.jp/title/168539/ スポンサーサイト