WAVES /ウェイブス
2020-111 UH 劇場観賞
ぴあ映画生活
公開から随分時間が経ってしまっていたので、観賞前にある程度情報が入ってしまっていたが、それでも十分に見ごたえありました。
本作の監督は、トレイ・エドワード・シュルツさん。前作は「イット・カムズ・アット・ナイト」。
両作とも、家族というものの持つ重苦しさが描かれています。
アマゾンプライムビデオほかで観られます。
こちらはなんともやるせない、というか最悪の結末を迎えます。
いっぽう本作「WAVES」でも劇中最悪の事態が発生しますが、それを受けてもなんとか先へ進もうとする希望のようなものは少し見えるかな?
家族の重苦しさと書きましたが、特に父親、父性の歪んだ圧力とでもいうようなものが、家族を悲劇に導いてしまう役割を果たしてしまいます。ひとつひとつを聞くと、正しいこと言っているようにも聞こえるのだが、何か根本的なところで間違えている。そのせいで、一度悲劇を迎えてしまうとその強権的な態度は一気に崩れ、メソメソしてしまったりする。
ラスト、妹は希望に向かい自転車を走らせている場面で終わるが、その妹も兄の悲劇を繰り返し兼ねない要素も備えてしまっているので、エンドロールを見ながらも「大丈夫か?」とちょっと心配になってしまうのでした。
プレイリストムービーなどと宣伝されていました。劇中曲の選曲も相当厳選したらしく、字幕であらわされる歌詞も絶妙でした。ただ、音楽を前面に押し出したというよりは、家族の悲劇と再生のきっかけに至るまでをじっくり描いた良作であると思いました。
音楽に詳しい人に言わせると、選曲は本当に絶妙だったらしいです。
公開から時間が経っているので、すでにアマゾンプライムビデオやDVDでも観賞できます。
画面もとても綺麗、特に色彩が美しいのでできれば劇場で観るのをオススメですが、もうそろそろ完全に公開終了してしまいます。ブルーレイなどのハイビジョンで、できるだけ大きな画面で観賞するのがいいかもしれません。
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