Swallow スワロウ
2021-12
抑圧された女性が、「食」という行為をメタファーとして自己を再認識していく物語。
という言い方をすると陳腐な感じがして怒られてしまうでしょうか?
主人公の女性 ハンターは異食症という症状を発症して、さまざまな異物を食べては排泄し、出たものを愛でていくという行為に取り憑かれていきます。
異食症という症状は本当にあるみたいです。
異物を食べて排泄する行為を繰り返す。というと、ゲテモノを想像してしまいそうですが、全然そんなことはなく、ハンターの嫁いだ富裕層の夫とその家族周辺で話は主に進むので、画面はむしろ、一見上品そう。ただ、上品そうな家の中で、ハンターの心をすり減らし蝕んでいく、夫、姑夫妻の言動は、それ自体はどこの家庭でもありえるくらいのことと言えなくもないながら、本当にイヤな感じに見える。この感じ、最近感じたなと思って思い返してみると、「82年生まれ、キム・ジヨン」でも、主人公キム・ジヨンが心を病んでいくプロセスに、本作でハンターが異食に目覚めていく行程が重なります。
スポンサーサイト