逃げ切れた夢
光石研さんは、「波紋」の典型的ダメおやじ演技を観たばかりで、あまり感覚を開けずに観た。こちらはこちらでダメおやじ感にじませているので、ちょっと混乱。
予告編も同じ映画館で続けてやっていたりするものだから、それぞれ鑑賞するまで「どっちだっけ」といった状態。
物語の中でも、おそらく同じような、ある状況に置かれてたりしている。「波紋」では状況を自らはっきりと口にするが、本作では何となく匂わせ程度ではあるものの、口にする言葉ははっきり深刻なものを想像させるものでした。
特に起承転結のあるようなストーリーはなく、光石さん演じる定時制高校教頭先生の一人語りに、周囲の人物が応じていくという構図が、入れ代わり立ち代わり繰り返されていく。
この教頭先生、葬式に教え子が押し寄せるというほどではないにしてもそれなりにいい先生に見える。
しかし、終盤のクライマックスといってもいい場面、画面上では全く盛り上がっていないが、この先生の本性とでもいうようなもの、といっても全然劇的なものではない、が元教え子の女性との会話の中で浮き彫りにされていくシーンでは、かなりのサスペンスをかんじてしまいました。
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