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街の上で

UH

ぴあ映画生活

 再開発が進む下北沢の街を映像に残そう、という企画で始まった映画らしいです。

 企画意図の通り、今はなくなっている下北沢のスポットや、再開発工事の風景が切り取られています。

 田舎者の私も二十数年前のこと、通算6年ほど東京「都下」に住まっていたことがあり、当時は何度も下北に遊びに行っていました。東京を離れてからもしばらくのあいだ、むしろ足繁く通っていました。当時の行動範囲は特定のライブハウスや劇場数軒を含むごく狭い範囲であったので、今作で切り取られた風景と重なるところはありませんでした。ちょっと残念。
 数年前、久しぶりに工事真っ最中の下北沢へ行く機会があったのですが、南口しか利用経験がなかった私に都合の悪いことに、南口が閉鎖されており、使ったことのなかった「北口?」を出て、激しく迷子になってしまった寂しい記憶が、私にとっての最後の下北思い出でした。

  



JUNK HEAD

ジャスト6.5 戦いの証


 イランから来た社会派クライムサスペンス。

 本作、約2時間20分とかなり長い中、前半、中盤、終盤と、それぞれに気がう雰囲気が与えられています。前半から中盤の初めの方では刑事ものらしく進行して高い娯楽性もあって、その後、ヒリヒリする心理的な駆け引き、終盤には社会問題にも触れる、盛り沢山の内容、時間も2時間20分とたっぷりです。

 本作の主人公は、二人の警察官と麻薬組織のボスなのですが、二人の警察官のほうが、同じように豊かな髭面で、初めのほうみわけるのが大変でした。案の定私の頭の中では途中で入れ替わってしまい、序盤は脳内大混乱でした。

 序盤の、刑事ものパートでは、大混乱しながらも迫力の画面で楽しめました。

 中盤、麻薬組織ボス ナセル と警察の緊迫したやり取り。後半、イラン社会に潜む問題や現実について。最後の悲劇的な終わり方。見どころたくさんでした。


イラン映画

 イラン映画といえば、最初に思いつくのは、名匠アスガー・ファルハディでしょうか。

 十数年前になりますが、「彼女が消えた浜辺」を劇場で鑑賞したのがファルハディ作品との最初の出会いでした。

 アマゾンプライムビデオで見られます。


 近作では、「セールスマン」を印象深く鑑賞させてもらいました。


 両作とも、イスラム社会での女性の生きにくさ、抑圧を静かに描いた作品でした。

 ファルハディ以外にはなかなかすぐに思いつかないのですが、政治的にも難しい国なので、日本へなかなか届かないのはもちろん、映画製作自体が難しい環境なのではと思っていました。こんなエンタメ傑作を出してこられるとは侮っていました。

 本作の、サイード・ルスタイ監督は長編2作目だそうで、またすごい人が現れたとびっくり。

 映像の迫力がすごい。日本でいう留置場に当たる場所なのでしょうか、逮捕された麻薬売人やホームレスたちがひしめいている場面では、客席にまで、においや暑苦しさが伝染しそうな臨場感でした。

6.5

 タイトルになっている「6.5」という数字、劇中何度か印象的な数字として語られます、私は2か所しか気づきませんでしたが、まだあるかもしれません。2か所どちらとも、主人公たちをとりまくイラン社会の現実を表す数字として語られます。



イラン映画は社会派だけでなく、エンタメも十分すごいよ、と示してくれた本作。

 次は「ウォーデン消えた死刑囚」も見に行こうと思います。本作で麻薬組織のボスを見事に演じたナヴィッド・モザマドザデーさんも出演されるので楽しみ。


燃ゆる女の肖像

2021-36 UH


ぴあ映画生活


劇場に通う目的に一つは、こういう作品に出会うことの嬉しさを感じるとだと改めて思いった作品でした。

 フランス離島の少し寒々しい風景の美しさ。4人の女性だけで話が進む、その濃さ。演じる女優さんたち、どれも素晴らしかったのですが、 特に惹かれたのは音楽でした、劇中2カ所で音楽が印象的に使われていますが、それぞれの場面で涙が出そうになってしまいました。

 機会があれば絶対に劇場で見た方が良い作品、もちろんソフトで観ても素晴らしい作品には違いないです。

ノエミ・エルラン

 主演の一人、画家マリアンヌを演じるノエミ・エルランさん。微細な感情を繊細な仕草で表現し切って、フランスでは賞も獲られています。最後、劇場での二人の対比では強烈な余韻がのこりました。
 過去の出演作は、見たことがありませんでしたが、今後はぜひチェックしたいと思います。

 途中、デイジー・リドリーさんに似てるなあ、と思い始めたら彼女にしか見えなくなって困りました。

アデル・エネル

画のモデルとなる貴族の娘エロイーズを演じる、アデル・エネルさん。

このかたは、ダルデンヌ兄弟、「午後8時の訪問者」で主演を務めてられる方だったのですね。後で調べて分かりました。

ぴあ映画生活
https://cinema.pia.co.jp/title/171299/

 こちらも、ダルデンヌ印なので、間違いありません。

Amazon プライムビデオで見ることができます。

DVDはこちら



まともじゃないのは君も一緒

2021-33 TU

ぴあ映画生活

 事前にはまったくノーマークだったのですが、予告編を見てちょっと気になったので劇場鑑賞してきました。

 予告編の映像の雰囲気も良かったのですが、予想通り面白かった。

 これまで数学にしか興味がなく世間のことをほとんど知らない予備校教師が、「普通」を勉強するために教え子の耳年増女子高生に教えを乞う。それを引き受ける彼女だが、ある企みもあって…

 ストーリーはコメディタッチで進みます、「普通」を目指した二人がドタバタの挙句出した結論は、よくあるといえばそれまでですが、納得できるし爽やかな後味も残る良作だったと思います。

 主演は成田凌さんと清原果耶さん。

成田凌

 成田凌さんといえば、わたしの中でななんと言っても「愛がなんだ」

 イケメンでやな感じ、とういうかかなり最低の男であるものの、一方ではうまくいかない片思いに悩むバカっぷりもある複雑な役を演じていたのがとても印象に残っていました。

清原果耶

 一方の清原果耶さんの名前を意識したのは、朝ドラ「なつぞら」で広瀬すずさん演じる主人公の妹役でした。10代から30代くらいまで演じてましたが、ちゃんとそう見えてました。

 最近では、アニメ版「ジョゼと虎と魚たち」で、主人公ジョゼの声を当てていましたが、本職の声優さんにも負けないのでは?というくらいに熱演されています。

ぴあ映画生活 ジョゼと虎と魚たち

 なつぞらを見た印象では、物静かな印象の役柄でしたが、本作では「酔っぱらいの真似をしながらやさぐれる女子高生を演じる」という難しい?演技をされたり、ジョゼでもエキセントリックな役をやり切ったり、と結構振り幅の広い女優さんと感じました。今後も注目していきたいと思います。

小泉孝太郎さんと泉里香さん

 本作で、セレブだけどなにかダメな婚約者同志を演じられたお二人も、印象に残りました。

 小泉さんは胡散臭い実業家、泉さんは、胡散臭さに気付きながらもついていく婚約者を好演されています。

 特に泉里香さんは、以前よりちょうどいい感じの「濃さ」が好きでした、本業はモデルさんかと思いますが、映画にもたくさん出演してほしいです。


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